2020年に総務省が行った国勢調査では、日本の生涯未婚率は男性が28.25%、女性が17,85%であり、「単身世帯」は38.1%という結果でした。2005年に行った調査では、「単身世帯」は29.5%だったので、この15年間で8.6%増加した事になります。さらに2040年には40%達すると言われています。そして近年、単身者の住宅購入が増加しているという報道もあります。
この記事を読んでいる独身の方も、今後賃貸に住み続けるか住宅を購入するか迷われているのではないでしょうか?
この記事では独身者のマイホーム購入について解説しています。
- 独身でマイホームの購入を迷っている
- 独身で家を買った方がいい場合、やめた方がいい場合が知りたい
独身でもマイホームを買うべきか?
結論から言うと、独身の方はマイホームを購入しない方がいいでしょう。
理由は単純で、将来の可能性を制限するからです。多額の債務を背負うマイホーム購入は、結婚や出産、起業など、人生の大きな転換点で支障をきたす場合があります。
また、住宅に関わる生涯出費は持家の方がかかると言われています。しかしこれはすべての人に当てはまるわけではありません。
マイホームを購入する判断軸は次の2つがあります。
①ライフプランで判断する、②物件で判断する、もしくは両方です。
具体的に見ていきましょう。
①ライフプランで判断する
独身の方で次のようなライフプランや目標を計画している方は、マイホームの購入を検討するのもいいでしょう。
目標、計画、考え方 | 購入を検討してもいい理由 |
---|---|
結婚する予定はない | 家族構成に大きな変化がないため購入有り |
3LDK以上の物件を買う | 結婚した場合や子供ができた場合も対応できる |
親の介護がしやすい住宅が欲し | 賃貸では難しい場合があるため購入有り |
趣味や仕事のためのスペースが必要 | 趣味や仕事によっては庭やガレージ等が必要なため有り |
コストがかかっても自分の住環境を整えたい | 損得ではなく、住環境重視の場合であれば当然有り |
すでに中年をすぎ、老後に向けた居住場所の安心が欲しい | 老後に不安を感じているのなら有り (単身高齢者が住む団地などに抵抗がある場合も検討有り) |
②物件で判断する
物件によっては、購入後に大きなライフプランの変更があっても対応できる物件もあります。次の3つの要件が全てそろっていれば購入の検討もありでしょう。
物件の特徴 | 理由 |
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3LDK以上の物件 | 結婚や出産となっても対応できるほか、売却しやすい |
駅近やショッピングモール近くの物件 | 売却時に値崩れしにくく、賃貸でも借りてが付く |
風呂、トイレ別 | ユニットバスの物件はファミリーに嫌煙され売却しにくい |
独身で買わない方がいい場合、買わない方がいい物件
冒頭で述べたとおり、独身の方にマイホーム購入はオススメしません。マイホームがあると将来のライフステージの変化に対応できない場合があるほか、生涯出費が賃貸より持家の方が高くなる場合があるからです。
特に次の場合や、次の物件はマイホーム購入をやめておいた方がいいでしょう。
懸念な点 | 理由 |
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結婚の可能性がゼロじゃない | マイホームの所有は結婚の足かせになる可能性有り |
駅から遠い2LDK以下の物件 | ファミリーに嫌煙されるため売却しにくい |
転勤の可能性がある | 購入した物件が賃貸にだしても借り手が付かない場合があります |
家は負債と考えている | マイホームは負債です。賃貸に出さない限りお金を消費します |
その他の注意点
独身の方に限らず、マイホームを賃貸に出す方は1つ注意しなければならない事があります。それはローンが残っている住宅ローンの変更です。
住宅ローンは、自分や親族が住むことを条件に低い金利で借りることができます。住宅ローンで購入した残債のある物件を銀行の許可なく賃貸に出した場合、契約違反となり、残債の一括返済などを銀行に請求される可能性があります。
そうならないためにも、物件を賃貸に出す場合は、事前に銀行に相談したうえで賃貸住宅ローンに切り替えを行いましょう。
まとめ
自分の好きなようにアレンジできるマイホームは誰もが憧れるものでしょう。ただし、焦りや勢いだけで購入を決めるのは危険です。とくにまだ若い独身の方はこの先あらゆる可能性があるため特に慎重になる必要があります。
また、マイホームは負債と書きましたが、賃貸不動産の購入は資産となります。不動産投資について詳しく書いた記事を載せておくのであわせてご覧ください。
FP宅建士で、住宅ローンアドバイザー(住宅金融普及協会)のいっけんが解説します。