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2023年4月、東京証券取引所グロース市場に名乗りを上げた企業があります。
その企業の名は、【ispace】
この企業は、かぐや姫の故郷である「月」に、民間企業としては初となる月面着陸を目指している野心的な企業です。
2023年4月に初挑戦(ミッション1)した月面着陸は残念ながら通信が途絶えて失敗しました。
しかし2024年12月にミッション2の打ち上げが予定されており、再びispaceに注目が集まっています。
そこで今回は壮大な目標に向かって突き進むispaceの特集をしたいと思います。
「ispace」ってどんな会社?何の会社?
「ispace」は月面探査と月資源開発をおこなう、宇宙産業に特化した宇宙スタートアップ企業です。
2023年4月12日に東京証券取引所グロース市場に上場を果たしています。日本の宇宙ベンチャー企業の上場としては同社が初となりました。
ispaceが目指すビジネスモデル
ispaceは現在先行投資段階であり、借入れや新株の発行、スポンサー契約等で運営をおこなっています。
しかし今後は月面探査と輸送サービスを中心としたビジネスモデルを展開することになり、資金調達の新たな道を切り開いていくことになります。
具体的には次の3つを収入の柱として確立させていくことになります。
- 1.輸送サービス
- 2.データサービス
- 3.パートナーシップサービス
ひとつずつ解説していきます。
1.輸送サービス
ispaceは月面への物資輸送サービスを提供します。顧客の荷物を月周回軌道や月面まで運ぶことが主な業務です。
想定されている運搬物資として、「科学実験や探査活動を行うための物資」、「建築を実現するためのロボティクス」などが挙げられています。
2.データサービス
月面探査車(ローバー)が収集したデータを顧客に提供するサービスも計画されています。月面データの収集は今後月面探査、月開発市場で重要な役割をはたすことが見込まれているためです。
すでにispaceはローバーを使ってレゴリス(月の砂)を採取し、その所有権をNASAに販売する契約も結んでいます。
成功すれば世界初の月資源の商取引となります。
3.パートナーシップサービス
ispaceはスポンサーシップを通じて、顧客のブランド認知度を高めるマーケティング支援もおこなっています。
ispaceが手掛けたランダー(輸送船)やローバー(探査車)には企業のロゴが入っており、顧客の広告塔の役割も果たしています。
これらispaceが計画している3つのビジネスモデルの実現は、アメリカが主導して計画されている「アルテミス計画」が前提にあります。
「アルテミス計画」
「アルテミス計画」は、アメリカが主導しておこなう国際的な有人月面探査プログラムです。
アポロ計画以来、約半世紀ぶりに人類を月に送り込むことを目指しているこの計画は、月面において人類が持続的に活動するための基盤を構築することを目指しており、将来的な火星探査への足掛かりにすることを目的としています。
つまりアルテミス計画は、「火星探査の中継地建設事業」ということになります。
短期、中期の具体的な事業内容としては次の通りです。
- 1.水資源開発
- 2.鉱物開発
- 3.月周回軌道宇宙ステーション「ゲートウェイ」の建設
- 4.女性やパートナー国宇宙飛行士の活躍
1.水資源開発
アルテミス計画のなかで最重要課題といえるのが、この水資源開発です。
ispaceもまさに、この水資源の探索をアルテミス計画の一員としておこなうことになっています。
月の南極付近には水が氷の状態で豊富に存在していると見込まれており、この月面の水を電気分解することによって、月で「水素」と「酸素」を自給することができるようになります。
「酸素」は人の生命維持に活用され、「水素」はロケットの燃料として活用することができ、重力の大きい地球からロケットを打つ上げるよりも、効率的に人や物資を火星に運搬することができるようになります。
2.鉱物開発
月にはアルミニウムやチタン、鉄などがあるとされています。
それらを採掘することで基地建設やインフラ整備に活用できると考えられています。
地球からこれれの資源を持ち込むことはコスト面で大きな障害となるため、基地建設やインフラ整備はこれれの”資源をどこまで現地調達できるか”がカギとなります。
また、月には核融合を起こす「ヘリウム3」も豊富にあると見られ、その量は地球上で使用する現在のエネルギー資源の数千年分に相当するという見解もあります。
3.月周回軌道宇宙ステーション「ゲートウェイ」の建設
月周回軌道宇宙ステーション「ゲートウェイ」はNASA主導で建設される国際的な宇宙ステーションです。
ゲートウェイは月面探査と、その後の火星探査を支援するための重要な中継基地という位置づけです。月面への有人ミッションをサポートし、月面からのサンプル回収ミッションや科学実験を行うための拠点となります。
また、ゲートウェイに使われる推進エレメント、モジュール、通信技術などは新しい技術を用いて設計されており、将来的には火星探査にも応用される可能性があります。
4.女性やパートナー国宇宙飛行士の活躍
過去のアポロ計画では、月面に降り立った12人すべてが白人男性でした。
2026年9月に計画されているアルテミスⅢミッションでは、初めて女性宇宙飛行士(クリスティーナ・コック)が月面に降り立つことが計画されており、宇宙開発史において大きな前進といえます。
また、アルテミス計画は国際的な協力を促進しており、日本を含む34か国が参加しています。
日本は日本人2人が月面に降り立つことがアメリカ政府と合意されており、日本人がアメリカ人以外で初めて月面に降り立つ可能性が出てきました。
ispaceの何がすごい?「ムーンバレー構想」
「ムーンバレー構想」とは、月に人が住むための都市を建設するという壮大なプロジェクトです。
この構想はispaceのビジョン「人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界を目指す」を元にispaceが掲げている構想です。
ispaceによると、宇宙開発は今後加速度的に進められ、建設、エネルギー、鉄鋼、通信、農業、医療、そして月旅行も可能となり…
2040年には月の人口が1000人となり、旅行者も含め年間10000人が月を訪れるようになるといいます。
一見夢のような構想ですが、NASAが主導するアルテミス計画でも月面固定式住居を含むインフラ整備が検討されています。この壮大な構想を本気で目指しているispaceのビジョンは、企業としての野心性や成長性のすごさを感じさせます。
ispaceの株は買える?
ispaceがこれだけ野心的な企業だとわかると投資家の方であれば株取引ができるのか気になるところではないでしょうか?
ispaceは東京証券取引所のグロース市場に上場しているため、証券口座をお持ちの方であれば株を買うことができます。
2024年12月にはミッション2の打ち上げが計画されているため、株価に大きな変動が起こることが予想されます。今後の株価には注目です。
まとめ
今回は今注目の宇宙ベンチャー企業「ispace」を特集しました。
夢のような計画や構想ばかりに思えますが、2026年とそう遠くない未来には、人類が再び月面に降り立つ計画がされています。
これからの20年は宇宙産業が大きく成長すると思われ、月への旅行も夢ではなくなるでしょう。
2025年にはispaceのローバー(探査機)を探すため、多くの人が望遠鏡で月を見ている事を願ってこの記事を終わりたいと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
<追記11/14>
ミッション2の打ち上げ予定が2024年12月から2025年1月に延期になりました。