【大正製薬アライ】まるで「やせ薬」!?気になる効果や副作用は?保険は使える?

やせ薬

2024年4月8日、大正製薬より「内臓脂肪減少薬」として新しい医薬品が発売されました。

その名は「アライ(alli)」です。

薬事日報ウェブサイト」によると、調剤併設型ドラッグストア「ウェルシア」にて「アライ」を販売するため1ヶ月間の事前予約をおこなったところ、なんと3000個の予約があったと報じていました。

今回の記事は、販売初期から注目されている内臓脂肪減少薬アライ」を特集したいと思います。

アライとは

食べた脂肪の内、約25%を便として排出する「内臓脂肪減少薬」です。

アライを服用することにより、食べた脂肪の内25%を便として排出することができます。本来吸収される脂肪が便として排出されることにより体に蓄積される脂肪が減り、結果として内臓脂肪を減らすことが期待されています。

日本においては新発売ですが、海外では1998年から発売されている薬剤です。そのため比較的安全性の高い薬と言えそうです。

内臓脂肪を減らす仕組み

通常、食事中に含まれる脂肪は、膵臓(すいぞう)から分泌される脂肪分解酵素「リパーゼによって分解されることで消化管から吸収されます。

しかしアライを服用することによって、アライの有効成分である「オルリスタット」が消化管内で「リパーゼ」の活動を阻害し、脂肪の吸収を抑制します。

それにより食事由来の脂肪のうち、約25%を便として排出することが期待できます。

出典:大正製薬製品情報サイト

どれくらい効果があるのか?

国内臨床試験の結果によると、服用後52週の結果は次の通りです。

服用後52週
  • 内臓脂肪面積変化率:⁻21.52%
  • 腹囲変化量:⁻4.72cm
排出カロリー
  • 1日当たり:110kcal
    (日本人1日あたり平均脂質摂取量61.3gの25%で計算)
出典:大正製薬製品情報サイト

服用の際は食事制限や運動を併用しながらダイエットに取り組むことが推奨されています。

副作用は?

大正製薬では「アライの効果は目に見える」としています。その証として”油状の便”が出るなどの副作用が代表例です。ここではアライの副作用をご紹介します。

アライの主な副作用は次の5つです。

主な副作用
  • 便が油っぽくなる
  • 便が近くなる
  • お腹が張る
  • 下痢
  • 腹痛

しかし、これらの副作用を事前に知ることで次のような対策をとることができます。

油っこい食事を控える

「大正製薬ホームページ」でも、油脂分の多い食事ほど、消化器症状が現れやすいと記載されています。

食事内容によって油や便のモレといった消化器症状を軽減することができるため、できるだけ脂質類を控えた食事内容を意識し、うまくコントロールしていきましょう。

便もれパッドで対策

アライの消化器症状による副作用は、服用後2週間以内に起こりやすく次第に発症率は低下するとしています。

慣れるまではおむつや便もれパッド、生理用ナプキンなどを活用し対策をしましょう。

アライの購入場所

アライは市販薬のため、薬局やドラッグストアで購入できます。

しかしどこでもいい訳ではなく、アライの販売について講習を受けた薬剤師がいる店舗でなければ購入することができません。

下記の大正製薬のリンクより「アライ」を販売している店舗を検索できます。
トップ | 内臓脂肪減少薬「アライ」取扱店検索|大正製薬 (taisho.co.jp)

オンラインストア、通販では購入できない

アライは要指導医薬品のため、オンラインストア、通販では購入できません。

アライの購入条件とは?

アライは要指導医薬品のため、薬剤師との対面面談が必須となります。

また、購入条件として以下の5つがあります。

アライの購入条件
  • 18歳以上
  • 腹囲:「男性85cm以上」「女性90cm以上」
  • 肥満症ではないこと
  • 食事、運動の改善に取り組んでいること
  • 購入前1ヶ月間の指定された記録を提示すること
    (食事、運動の内容/体重/腹囲)

購入前の「記録」は最低でも1ヶ月前からつけておく必要があります。初めて購入される方は下記の「ご購入前セルフチェックシート」をご参考下さい。

ご購入前セルフチェックシート

服用ができない人

次の方はアライの服用が認められていません。

アライを服用できない人
  • 妊婦
  • 授乳中の人
  • シクロスポリン(免疫抑制剤)を服用中の人
  • 抗HIV薬(エイズ治療薬)を服用中の人
  • ワルファリン等の抗凝固薬を服用中の人

その他、大正製薬ホームページでは持病(基礎疾患)の診断や治療を受けている方はかかりつけ医に相談するよう案内を行っています。

保険やセルフメディケーションに対応?

セルフメディケーション税制」とは2017年から導入され、特定成分を含むOTC医薬品が税制控除の対象となる制度です。

しかし2024年7月現在、「アライ」はセルフメディケーション税制の対象ではないほか、保険(健康保険)の適用対象でもありません

まとめ

日本初の内臓脂肪燃焼薬である「アライ」は、食べた脂肪の内25%を便として体外に排出でき、臨床試験でも内臓脂肪面積や腹囲の減少を確認できたことから、いわゆる「やせ薬」と言えるかもしれません。

しかし大正製薬は、あくまでも食事と運動の改善(生活習慣の改善)が基本としています。

  • 普段から運動や食事に気を使っているがなかなか体形が変わらない
  • 健康を考え余分な脂肪は控えたい

そんな方は医師や薬剤師の指導のもと「アライ」を試してみてはいかがでしょうか?