宇宙ビジネス情報サイトUchuBiz(ウチュウビズ)から新たな情報が飛び出しました。
宇宙飛行機(スペースプレーン)を開発する日本のスタートアップ企業【PDエアロスペース(PDAS)】が世界初のエンジンの燃焼試験に成功したと発表しました。
「PDエアロスペース」(以下:PDAS)とはいったいどんな企業なのか?上場(IPO)はするのか?
そんな気になるPDASを今回は特集したいと思います。
【PDエアロスペース】とは?
2007年に愛知県名古屋市に設立された宇宙スタートアップ企業です。
従来のロケットで宇宙を目指すのではなく、航空機に近い形状をした宇宙飛行機(通称:ペガサス)を使用して高度100キロの宇宙空間を目指します。
2027年には8人乗りの有人飛行を計画しており、2031年には宇宙旅行を商業化する予定で、現在は飛行で使用する機体「ペガサス」の開発やエンジンの開発、燃焼試験などを行っています。
世界初のエンジンとは?
現在PDASはジェットエンジンとロケットエンジンが単一となる混成エンジンの開発をすすめており、5月27日、この混成エンジンの燃焼試験に成功したと発表しました。
これは世界初のエンジンで、このエンジンが実用化されれば通常2つ必要なエンジンが1つになり、軽量化や低コスト化につながるとしています。
上場するのか?
上場については2023年12月に、ロイター通信がPDASの代表取締役社長「緒川修治」氏にインタビューを行っています。以下がその内容です。
IPOの時期について緒川社長は、「30年の宇宙旅行の商業運航が見えた、あるいは始まった段階」を想定しその可能性を「残している」としつつ、より早い段階でのIPOを望むベンチャーキャピタル(VC)の意向を反映して「25年の無人機飛行」も一つのタイミングとした。その上で、個人的意見として最も理想的なのは、無人機ビジネスが立ち上がった実績もできている「プロトタイプの有人機が飛んだ直後くらいが良い」と述べた。
引用元:ロイター
以上が緒川社長のIPO(新規上場)についての考えです。
つまり、ベンチャーキャピタル(VC)の意向もふまえながらも、緒川社長の考えとしては有人飛行を行う2027年ごろがIPOの時期としては理想的。と言うことになります。
上場時の売出価格(株価)は?
PDASは財務状況を公表していないほか、上場するであろう2027年まで成長猶予もあるので正確な売出価格を予測するのは難しいのが現状です。
よって2023年4月12日に上場した類似企業「(株)ispace」を参考にしてみます。
ispaceはPDASと同じく宇宙開発企業です。ブックビルディングを経て決まった当時の売出価格(公開価格)は254円でした。
PDASの資本金はispaceの資本金の1/7程度しかないことから、PDASの売出価格は254円を切る可能性はあります。
しかしispaceの上場後の初値は1000円でした。その後2373円まで上昇した経緯があります。しかも2023年10月より「公開価格決定プロセスの変更(詳細は割愛)」があり売出価格が高くなりやすくなりました。
よって筆者の独断と偏見で、PDASの売出価格は400円~1000円程度と予測します。
まとめ
PDASは2016年の時点で、すでにANAホールディングスやHISなどと資本提携を結んでおり、その潤沢な資金力で、空港ならぬ「宇宙港」の整備や、JAXAや各大学と共同で機体、エンジンの開発などもおこなっています。
その成果もあってか日本の民間企業による宇宙旅行計画がすぐそこまで近づいています。旅行価格も100万円以下におさえることを目標に掲げており、PDASの上場後の株価はおおいに期待できるかもしれません。
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